お口の中を健康に保つことの重要性(新型コロナ対策編)

2020年08月17日

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新型コロナウイルスが猛威をふるっています。
実は「お口の中を健康に保つこと」が、新型コロナウイルス感染症の重症化を防ぐために欠かせないのです。

ウイルスは口や鼻の粘膜などから感染すると言われます。また新型コロナウイルスは感染力が強く、近い距離で話しているだけでも飛沫から感染する可能性があります。徹底した手洗い、マスク着用、外出を控え、いわゆる「3密」を避けること、といった基本的な感染予防対策はぜひ続けてください。

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それと同時に「お口の中を健康に保つこと」も感染予防にとても大事なことなのです。
お口の健康を保つことと、新型コロナウイルス感染予防にいったい何の関係があるの?と思う方もいらっしゃると思います。いったいどういうことなのでしょうか?

コロナ対策としてお口を清潔に健康を保つこと。さらにもう一つ大切なのが、「咀嚼と栄養」です。実は 咀嚼機能は、免疫力を落とさないために、とても大事なのです。
例えばこれをお読みの方の中にも、入れ歯が合わないから使わないままでいる、むし歯がひどくあまりしっかり食べられない、といったように、咀嚼が不十分になっている人もいると思います。そうした方はとくに要注意です。

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咀嚼機能が低い状態(100mg/dl以下)が長期間続くと、柔らかい食事が常態化しやすく、それらの多くは糖質に偏った食材です。それらはブドウ糖の摂取量を上げるので糖尿病悪化のリスクを高めることにもつながります6,7)。また咀嚼力を要求される肉類の摂取が減ってしまえば、タンパク質低栄養が進行し、血中アルブミン値が低下(3.5g/dl以下)してしまいます。こうした状態は著しく免疫力の低下を招くことになるのです。

低栄養化によって免疫力が落ちれば、新型コロナウイルス感染症の重症化につながる恐れがあり、死亡率が上昇するリスクも高まると考えられます。

 緊急事態宣言の中であっても、むし歯の方や義歯の調子が悪い方は、決してそのまま放置せず、歯科医院を受診しましょう。応急で構いませんので、痛い歯の治療や、義歯の治療を行なって、栄養摂取の妨げにならないように速やかに対処しましょう。
またご家庭では、いつもよりタンパク質やビタミンを含む食材を摂取するように心がけてください。

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ウイルスに感染し肺炎を引き起こしてしまった場合、緊急時に人工呼吸器が装着される事態も起こりえます。そのとき、口の中の細菌の数が多いと 細菌が増殖して肺の中に入ってしまい、肺炎が重症化するリスクが高まります。そのためにも、口の中の衛生状態をきれいに保っておくことはとても大切なのです。

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ただ、外出自粛が叫ばれる状況の中、歯科医院にかかることを不安に思う方もいらっしゃるかもしれません。
特に歯科では、口を開けて治療が行われる状態が続くので、患者さんも感染しないかと心配に感じるのではないかとも思います。

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しかし、歯科医院は、患者さん全てが感染している前提で、感染制御のプロフェッショナルとして盤石な感染予防態勢を実施しておりますから安心して受診してください。

スタッフ集合
歯科医療は、あなたのライフラインをつなぐ生活の医療です。歯に痛みがあったり、噛めない場合など、必要があれば、歯科医院をしっかりと受診しましょう。専門的な口腔ケアをしたり、咀嚼機能を回復する、といったことが必要な取り組みになるのです。